夫が死亡し妻が受け取った生命保険金をめぐり、分割で受け取る年金部分には相続税だけでなく所得税も課す実務が適正かどうかが争われた訴訟の上告審判決が6日、最高裁であった。第三小法廷(那須弘平裁判長)は「相続税の対象となった分に所得税を課すのは二重課税にあたる」との初判断を示した。その上で、課税を容認した二審・福岡高裁判決を破棄し、国税側の課税処分を取り消した。納税者側が勝訴した一審・長崎地裁判決が確定した。 (朝日新聞)
生命保険を一時金で受け取ると相続税がかかるが、控除額が多いので、普通は税金を払わなくて済むが、年金で受け取ると雑所得となって所得税がかかる。年金で受け取ると損だなあと思いながらも、公的年金も所得税がかかるので、あまり不思議に思っていなかった。今回、このことについて最高裁で相続税と所得税の二重課税と判断された。
ただし、まったく税金がかからなくなるわけでなく、年金原資の部分が相続税の対象となり、所得税が免除される。毎年の年金額の内、保険会社が運用した利益部分には所得税がかかる。納得はできるが、やっぱり一時金の方が得な様に思う.
この判決を受けて二重課税となった部分は過去5年間にさかのぼって返してもらえることになるが、この種の保険契約はこれまで数百万件にのぼるらしく、請求しないと還付してもらえない可能性が高い。5年の時効をなくしたり、還付請求を簡素化したり、生命保険会社が受給者に案内や必要資料を送るなどの対応をしないと、個人での請求は結構敷居の高いものになるだろう。